伊藤研人という人間 後編
前回、「着物で世界を2周した男」である伊藤研人さんについて書きましたが今回はその続きです。
前回の記事はこちら↓
今回は伊藤研人さんがインディアンの伝統儀式「サンダンス」に参加したときのエピソードを書いていこうと思います。
まず、サンダンスとは何か。
アメリカインディアンは、大自然のすべての事どもは「大いなる神秘」(宇宙の真理)のもとにあると考える。
「サンダンス」は、こうした「大いなる神秘」との会話と捧げものの儀式のうちの、最大のものである。(ウィキペディア)
そしてそのサンダンスの中に「ピアッシングの苦行」というものがあります。
「サン・ダンス」における「ピアッシングの苦行」の始祖はマンダン族の「オーキーパの儀式」と言われ、サンダンスがシャイアン族、アラパホー族やスー族他平原の部族に広がる中、最も苛烈な「ピアッシングの苦行」が、スー族によって発展させられた。
これは儀式の4日目の千秋楽に行われるもので、自らの肉体の痛みを捧げものとして「大いなる神秘」に祈りを捧げるという苦行である。「ピアッシング」は「穴を開ける」というような意味だが、儀式の形態としては、身体改造の「ボディー・サスペンション」(de:Body-Suspension)により近い。人間にとって一番大切なものは自分の体であり、これは大いなる神秘の所有物ではない。したがって、サンダンサーはかけがえのない自分の肉体を捧げるのである。(ウィキペディア)
とありますが、具体的にどんなことをするかというと、
「胸の肉を2カ所つまんでナイフで穴を開け、そこに木の棒を通す。
そして真ん中の大きな木に繋がれ、4日間飲まず食わずでダンスをする。
そして最後、自分の肉を引きちぎる。」
これだけ聞いただけではイメージしづらいと思うので写真を見てください。
こんな感じ。
衝撃的じゃないですか??
しかも4年間続けなくてはならないというルールがあるため、
伊藤研人さんは、1年に1回全部で4回もこの儀式を受けたそうです。
このサンダンスの説明をされたとき、絶対にやりたくないと思いました笑
しかし、研人さんの学びを聞くと、だんだんやってみたくなってきました。
このサンダンスから研人さんはどんな学びを得たのでしょうか。
それは、
「自分は地球と1つであること」
「自分は地球の命を頂いて生きているということ」
4日間飲まず食わずで木に繋がれて、いろんな感情がわき出たと思います。
つらい、苦しい、痛い、のど渇いた、お腹すいた、、、、
しかしそこからいろんな気づきを得ることができました。
「この地球がなかったら今自分は生きていない。」
「自分は少しの肉を与えて痛いといっているけど、今まで散々動物たちの肉を食べてきている。」
そんな感情がどんどん沸いてくるうちに、ありとあらゆる物への感謝が止まらずに涙を流したそうです。
自然・大地・太陽・家族・先人達・・・
それらに自分は無償の愛を与えられて、生かされている。
そう気づいたとき、理屈ではない無限の愛に溢れたそうです。
研人さんは、死ぬほどの思いをしてようやくこの気づきを得ることができました。
いや、これほどの体験をしないとこの気づきは得られないと思います。
人間は適応する能力があるため、失って始めて気づく生き物だからです。
自分も何度か発展途上国にいき、日本がいかに物で溢れていて素晴らしい国なのかを実感しました。
しかし日本に帰ってきて過ごしているうちに、あるのが当たり前だと思ってしまうんですね。
やはり、サンダンスのように心からありがたさを感じられるような体験をしないと継続的な意思には結びつかないのだと思います。
だから自分も経験したいと思ったのです。
これを経験したら間違いなく次のステップに行けるでしょう。
では最後に、研人さんのお言葉を書いて終わろうと思います。
絶対に命を無駄にするべきではない
けれど、どんな些細なことでも
生きてやり抜く覚悟をすることは
死ぬ覚悟をすることでもある
死を受け入れて初めて
自分の小ささも大きさも見えてくる
そこから不完全であることの幸福を感じられる
そうすれば
次の一手が見えなくても
目指すべき山がはっきりと見えるようになる
その山を目指すことを覚悟すれば
何をすべきか見えてくる
もう一度
命の原点から
心を掃除しよう
~伊藤研人~